三菱 ランサーGSRエボリューションⅨ

これぞ鬼に金棒　MIVECを添えて

15年経った今でも様々なスポーツシーンで活躍を続けているエボⅨ。なぜ、ランエボはこうも速いのか。
エボの活躍が大きく目立ち始めたのはエボⅣの登場からで、280PSに到達した高剛性の鋳鉄製4G63と機械式デフに変わって登場した新開発電子制御デバイスのAYCの組み合わせが、「曲がる4WD」を生み出し圧倒的ポテンシャルでWRCのタイトルをもぎ取ってきた。また、エボⅣのAYC採用からラリーのイメージが強かったエボがサーキットでの速さも注目されはじめ、S耐にも登場し始めた。
そして、エボⅦからACDが新たに投入されセンターとリアのデフ制御が電子制御化。旋回とトラクションを両立するシステムとしてクラスの圧倒的マシンへと進化を続けていた。ランエボはその名に恥じぬ進化を毎年のように行い、販売がされてきた車種だが、その歴史の中でずっとランエボを支えてきたのが車の心臓である4G63エンジンだ。エンジンの源流となったG63エンジンの登場が1979年と基本設計はとにかく古い。さらに鋳鉄製でお世辞にも軽量とは言い難いこのエンジン。だがしかし、その頑丈さゆえチューニングマージンの観点からラリーエンジンとしての耐久性と、ロングストロークによる低中速域でのトルクフルな特性がランエボの速さを支えていた。
そしてのエボⅨの登場に合わせてこの4G63エンジンにも初めて進化が加えられた。吸気側に可変バルタイのMIVECを設けたことで低速域からしっかりトルクを出しつつ、そのまま高回転まで伸びていくエンジン特性に仕上げられた。最大トルク値はGSRで40.8kgm・RS/GTでは41.5kgmを達成。さらに発生回転数は驚異の3000回転なのだから驚く。これは歴戦のライバルであるインプレッサに対抗するために設けた機構であり、インプレッサのトルク値はGDB最終型で43.0kgmを4400回転で発生させる。つまりインプレッサより1000回転以上速いタイミングで最大トルクを発揮させてしまうのだ。これはレースシーンにおいて非常に高い優位性を持っており、ACDとAYCで誰よりも速くコーナーを曲がり、全速域をカバーするレスポンスで誰よりも速く立ち上がりピークパワーを発揮させる。
これほどのスペックを持った車が市販化され、そして15年経つ今でも中古車の出回りが十分あるのだからスポーツカー人生の中で一度は手にしたいモデルであることは紛れもない事実だ。

◇Ｋａｎｓａｉサービス（カーボンエアクリーナーＢＯＸ・サクションパイプ・Ｉ／ＣパイピングＫＩＴ・フロントロアアーム・フロントパイプ・Ｒチタンマフラー）◇ＢＩＬＬＳＴＥＩＮダンパー・ダウンサス◇ＲＡＹＳボルクレーシングＴＥ３７◇ＨＫＳ　ＥＶＣＩＶブラックリミテッド◇ＲＥＣＡＲＯ　ＳＲ－６◇ナルディステアリング◇ＣＵＳＣＯリアストラットバー◇カロッチェリアＡＶＩＣ－ＲＺ９００◇ＥＴＣ