三菱 ランサーGSRエボリューションⅨ MR

4G63エンジン搭載最終モデル　MRの業ここに極まる

ランエボⅨの登場から約１年半後に発売がされたⅨMR。MIVECの採用により、もはや完成の域に達したと思われたⅨをベースに細かな部分を煮詰めより速く走れるようにとチューニングが施されている。
エンジン関連での大きな変更点は、タービンホイールをチタンアルミ合金、コンプレッサーホイールをアルミ合金の組み合わせにし、タービンコンプレッサー入り口径を従来より小径化させることでレスポンスをアップさせている。さらにMIVEC機構も中高速・高負荷領域とアクセルオフでの空燃比を最適化させ最大出力とピークトルクは変わらないが、アクセルワークをよりダイレクトに感じられるようになっている。ちなみにⅨで採用されたマグネシウム合金コンプレッサーホイールもオプションで設定はあったが、当時発生したブレード破損のイメージがありユーザーからは敬遠されオプション仕様なら即納、標準仕様は３ヶ月待ちという奇妙な現象が発生していた。
足回りでは、さらなるハンドリング特性を求め、ⅧMRでも採用されたビルシュタイン製ダンパーにアイバッハ製スプリングを組み合わせバネレートをⅨに比べ5%高めたセッティングにし、重心を下げる為に車高もフロント10mmリア5mmダウンしている。ホイールを外してみれば黄色いビルシュタインに真っ赤なアイバッハとブレンボキャリパー。最高峰のメーカーを贅沢に使用した設計だ。見直しはそれだけでなく、足回りの変更に合わせてAYCの駆動力制御量を10%増大させターマックでの旋回性能を向上させた。
エクステリアは、小変更にとどまっているがその小変更にすら三菱は妥協していない。フロントバンパー左右下部のエアダムを延長させ空気抵抗を軽減、さらにエアダムに設けられたヘコミは車体側面の気流を剥離させ、タイヤハウス内にこもる熱気を効率的に排除することでブレーキングの安定化にもつながっている。そしてアンダーカバーはフロア下を流れる走行風を減少させ、空気抵抗とフロントリフト減少をねらった形状にされた。
こうしてランエボは１秒でも速くコーナーを抜け、ライバルより少しでも速く立ち上がり、コンマ数秒のタイムを削ろうと努力を繰り返し、進化してきた。1992年に登場しずっと進化を繰り返してきたランエボは、三菱とその開発に関わった全ての人たちのまさに努力の結晶。すべてにおいて貪欲に速さを求めて作り上げられたこのマシンはきっとドライバーのカーライフを豊かにしてくれるに違いない。

◇オプションＢＢＳアルミ◇ＨＫＳ（ＥＶＣ・Ｆ－ＣＯＮｉｓ・パワーフロー・サクションパイプ・Ｈｉ－ｐｏｗｅｒＳＰＥＣ－Ｒ・ＳＬＤ）◇ＧＲｅｄｄｙ（過給圧・水／油温計・アルミラジエターパイプ）◇ＴＯＭＥＩエキマニ◇ＣＵＳＣＯタワーバー・アンダーブレース◇ＥＮＤＬＥＳＳブレーキライン◇アルミインテークパイプ◇Ｆｒパイプ◇カーボンエアクリＢＯＸ◇グランドエフェクター◇カーボンクーリングプレート